
motherhoodの楽曲には、明確なメッセージのようなものは一切存在しない。
音は聴覚的な映像として、演奏者側に、そして聴き手の側に現前する。何を、どのように感ずるかは、人それぞれ違っている。
今ある場所、時間、環境、その時々で心境は絶えず変化している。人ひとりひとりの考えていること、感じていることを
知ったかのように、何かを強制、あるいは縛りつけるようなものは、それら「生」の瞬間には全く意味を持たない。
そしてそれは、独立した7人の「個」であるmotherhoodのメンバーにおいても例外ではない。
では、いったい何がmotherhoodに意識統一のきっかけを与えてくれるのか?それは、「呼吸」と「imagination」である。
私たちは「呼吸」と「imagination」を、いわば目には見えない、音のない「楽器」として強く意識し、互いの息づかいを
感じ取りながら演奏している。
やがて、それらは聴き手の側にも伝わってゆき、全体としてひとつの共有された場(空間的なものではない)を作り出してゆく。
motherhoodの楽曲は、この、聴き手との「呼吸」と「imagination」が共有された場(zone)においてはじめて、
意味を持ちうるのだ。
物事が溢れ返り、何もかもが便利さを追求し、混沌が充満し、「個」が希薄になってしまうなかで、motherhoodは、
人間誰もが本来持っている「呼吸」と「imagination」に期待している。